最近、起業したいという女性からの相談が時々あり、春に芽吹く命の力と同様に、女性の何かを生み出そうとする熱いパワーを感じています。
昔、起業相談が多くあるという社長さんに
「起業したいという人を、この人なら大丈夫と、後押しするのはどんな時？」
と、尋ねてみたことがあります。
「その人が本気の時だな」
この答えは、私もある程度、想定していたような気がします。
そしてその社長さんは、こう付け加えました。
「周りに応援してくれる人がたくさんいる人」
その理由は、教えてくれませんでしたが、その時に妙に納得したのを覚えています。
中国 宋の建国者、趙匡胤(ちょうきょういん)は、酒豪で、磊落な性格で部下に慕われていました。そして乱世の中、次第の頭角を現して、ついに、周りに推戴されて皇帝になりました。
一説には、酔っぱらっているうちに、黄袍(皇帝の着る服：黄色は皇帝の色)を被せられて皇帝にされていた、というエピソードもあるぐらい人に慕われていたそうです。もちろん、史実ではありませんが、それほど、周りから慕われていたということでしょう。
世界帝国であった唐の滅亡後、趙匡胤が宋を建国する前にも、さまざまな国が興り、その都度、皇帝に推戴された人物は数知れなかったのですが、唐以降の乱世を鎮め、中国全土を統一し、南宋時代も合わせると、300年以上続いたのは、この趙匡胤の建国した宋でした。
国というのは、会社と同じで、その建国者の性格が現れるものですが、宋という国は中国の歴代王朝の中では、建国時の流血もほかの王朝の建国時に比べるとずいぶん少なく、また官僚中心の文人政治の国でした。そして、国の滅亡時にも国に殉じて死ぬ家臣が、歴代王朝に比べて圧倒的に多かったのです。
こういうことからも、建国者である、人に慕われた趙匡胤の性格がよくうかがえると思います。
応援してくれる人がたくさんいる人は、応援したくなるエネルギーや魅力にあふれているからこそ、リーダーになれるのでしょう。
人は強くはありません。
起業の際、ピンチの時、変革の時、引き継ぎの時などのエネルギーがたくさん必要なとき、そして客観的な視野が欲しいとき、応援してくれる人がいるのはとても心強いものです。
あなたはどんな人たちに応援されていますか？
そしてあなたが応援しているのは、どんな人ですか？
